先日、リバース工法※に取り組んでくださっている工務店様の会(「リバース工法研究会茨城・千葉」という会です)に参加してきました。
※リバース工法とは、珪藻土仕上げ材「リバースコート」などを施工し、きれいな空気の住まいにすることをいいます。
その際、工務店様からこんな質問をいただきました。
「クッションフロアはどうすれば、特有のにおいが解決しますか?」
今日はクッションフロアの臭い対策についてお話しします。
クッションフロアのにおいの“もと”は?
クッションフロアのにおいは、クッションフロア(素材自体)、張り付けに使う糊(接着剤)、ワックスがけをしている場合はワックス、これらが混ざりあっています。
新築・リフォーム直後などは特に臭いを強く感じるのではないかと思います。
冒頭の工務店様以外にも、賃貸物件に入居する方から「新しく借りたワンルームマンションの張り替えたクッションフロアの床が臭うのですが、何とかなりませんか」とお問い合わせをいただくこともよくあります。
賃貸物件の場合、一般的には入退去時に清掃業者さんがメンテナンスを行います。
ハウスクリーニングをした後に床ワックスを塗ったり、あるいは床の汚れがひどかったり傷んでいたりすると、ほとんどの場合で張り替え作業が行われて新しいクッションフロアになり、クリーニング後にワックスが塗られます。この作業がニオイの発生する元となっています。
換気・時間の経過とともにある程度減少すると思いますが、それでもなかなか解消しないという場合には、今回の話をひとつの参考にしていただければ嬉しいです。
また、クッションフロアの臭いについてご相談いただく際、「クッションフロアのサンプルを取り寄せて確認した時はさほど気にならなかったのに、いざ貼ってもらった後に臭いが気になるようになった」というお声も多いです。
サンプルは裁断してからある程度日数が経過していることが多く、その間に臭いがおおかた抜けているためだと思われます。
既に張ってあるクッションフロアの臭いを解消したい場合
既にクッションフロアが張ってある場合は、床面を掃除してから「リバースワックス」を塗ります。
リバースワックスとは、化学物質低減・消臭効果のある表面仕上げ用ワックスです。
フローリング・クッションフロアなどの床材はもちろん、家具などにも使えます。
以前ご相談いただいた際はワンルームマンションの7畳1部屋とキッチン部分少しを塗るにあたって、リバースワックス1ℓで足りますか?というケースがありました。
1ℓで約100m2のフローリングを塗れます(1回塗りの場合)ので、この場合は1ℓ1個で足りるかと思います。
【塗布面積の目安】
複合フローリングの場合、ワックス1ℓで約100m2 ※
※同じフローリング材でも素材が無垢の場合は吸い込みがよいため、塗布面積の目安は上記より減少し、ワックスを多く要します。
※クッションフロアの場合は表面にある凹凸部分にもワックスが入り込むため、塗布面積の目安は上記より減少し、ワックスを多く要します。
※家具に塗る場合、家具がワックスを吸い込むため、塗布面積の目安は上記より減少し、ワックスを多く要します。
※無垢フローリングや家具において、材質が桐の場合は特に吸い込みが激しいです。
※塗布する対象物やその素材によって吸い込み具合が異なりますので、どの素材の場合はどの程度必要かを一概に申し上げることができません。まずはお試しセットをお使いいただき、その塗れた面積をもとに、必要量を計算してください。何卒ご理解をお願いいたします。
塗り方ですが、市販のワックスモップで塗りますので、個人のお客様ご自身でも塗ることができます。
塗りムラなど仕上がりが不安な場合は業者さんに依頼された方がよろしいかと思います。
モップはホームセンターなどで2,000円前後くらいで販売されています。
以前に当社の社員が自宅に塗ったことがありますので、よろしければ下記の記事もご覧ください。
効果を発揮するには1回塗りで結構ですが、1回だとあまりツヤが出ない仕様になっていますので、ツヤを出したいという方は2~3回重ね塗りをしてください。
重ね塗りすることでワックスの表面強度が増して1回塗りの場合よりも長持ちします。
室温25℃の場合は1時間くらいで歩行可能になりますが、冬場など室温が低いときはエアコン等で室温を25℃に設定してあげると良いです。
また、時間は目安であり前後することがありますので、念のためワックスを塗ったところを指などで触って乾燥具合を確かめてください。
乾燥するまで、キッチンやトイレ、浴室の換気扇を稼働させ、各部屋の窓や通気口を開けておくことでニオイが早く消え、各部屋に残りにくくなります。
水分を多く含むリバースワックスは、塗った直後、水分が蒸発しきらないうちはワックス臭がします。水分が飛び、乾いていくにつれて臭いは減少し、完全乾燥後はワックスの臭いは残りません。
「ワックスを塗ったのに臭いが消えない」というケースは、水分が完全に抜けきっていないことが原因の場合が多いです。
クッションフロアの場合、クッションフロアの貼り付けに使った床糊の水分が飛ばないことにより、糊の臭いが出てくることも影響します。
また、床面掃除は汚れが取れれば水拭きでもよいですが、「リフレパウダー」という粉石けんを水1ℓに対してひとつまみ溶かした水(リフレパウダー希釈水)を使って掃除すると油汚れが落ちやすくなります。
リフレパウダーは合成界面活性剤・防腐剤・漂白剤・蛍光剤を使っていない洗濯石けんです。
油汚れに強く消臭効果もあるので、拭き掃除などにも使えます。
化学物質に敏感な方の場合はリフレパウダー希釈水のご使用をおすすめしています。
これからクッションフロアを張るという場合
(1)クッションフロアの裏側をリフレパウダーを溶かした水で拭く
作業用のクッションマットがにおったときは、この方法で解消できました。
リフレパウダーを溶かした水をスポンジに含ませて拭く(というよりゴシゴシこするイメージ)、その後自然乾燥、という流れです。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
(2)張る前のクッションフロアの裏側全面に、リバースワックスを1回塗布
既に張ってある場合と違い、ワックスモップではなく写真のようなローラー(ウールローラー)を使った方が塗りやすいです。
(3)クッションフロア張り付けに使う糊(床用の床ノリ)に塗料用リバース溶液(水性用)を添加
クッションフロアは床用の糊を使って張り付けますが、その糊にも一工夫します。
「塗料用リバース溶液」という添加剤を混ぜることで、接着剤特有の臭いを低減します。
名前に「塗料用」と付いている通り、元々は塗料特有の刺激臭を低減するために塗料に添加する製品ですが、接着剤にも使えます(相性の悪い接着剤もありますので必ず事前に少量で試してみてください)。
塗料用リバース溶液の水性用を、使用する糊の量に応じて添加します。
添加の目安は、水性タイプの糊であれば、18~20kg缶に対して100ccの割合です。
床ノリに塗料用リバース溶液を添加する場合の注意点
床ノリはクッションフロア施工までに、塗布してからオープンタイム(乾燥時間)を取りますが、塗料用リバース溶液を添加することでオープンタイムが若干多く(長く)なります。
しかし、ほとんど気にならない程度で、接着強度も問題はありません。
(4)その後、普通に床ノリを塗布し、半透明になったらクッションフロアを張り付ける
(5)最後にハウスクリーニング施工時にリバースワックスを表面に塗布して完了
前述の「既に張ってあるクッションフロアの臭いを解消したい場合」(クリックすると該当部分にジャンプします)に記載してあるのと同様に、リバースワックスを塗布します。
フローリングの上に直接クッションフロアを貼った場合についての注意点
傷が付いた、経年劣化で傷んだフローリングに直接クッションフロアを貼ったというケースで「すごいにおいがする」とご相談をいただくこともあります。
賃貸物件などで木製の合板フローリングが傷だらけになってしまい、その上からクッションフロアを貼るという場合には、強力な接着剤を使わないとうまく接着できません。
合板やベニヤ板、モルタルにクッションフロアを貼る場合には、通常「白ボンド」と呼ばれる専用の糊を使う場合が多いです。
白ボンド自体は水性で刺激臭もあまりありません。
しかし、表面がツルツルしている素材のフローリングに直接貼る場合には、白ボンドでは接着力が不足するため強力なボンドを使う場合が多いのです。
リフォームの場合には、こういった事例で「すごいにおいがする」とのご相談をいただいたことがあります。
おそらく有機溶剤系のボンドによる接着剤からにおいが発生し続け、自然ににおいが減るのには年単位になると思われます。
ご相談されてくる方は、上記のような作業が行われていることはご存じないことがほとんどではないでしょうか。
こうした作業が行われている場合、クッションフロアがにおうからといってリバースワックスを数回塗布しても、クッションフロアの下に使われた有機溶剤のにおい減少効果については相当時間が掛かり、すぐには解決が難しい場合が多いです。
このような物件に出会ったときは、不動産会社様にすぐにおいのことを伝えて対処してもらうか、別の物件を見つけることがおすすめです。
まとめ・今回の施工で使用した商品の購入について
クッションフロアは、化学物質過敏症の方には特に考慮する施工場所だと思います。
この方法は、まれにある絨毯やタイルカーペットにも応用が可能です。
また、リバースワックスはクッションフロアのほか家具の臭い低減にも活躍します。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▼リバースワックス(張り付け前のクッションフロア裏面、張り付け後のクッションフロア表面に塗布)
届いてすぐ塗れる刷毛付きのお試しサイズのワックスが最近好評です↓
リバースワックス小型家具用セット(刷毛付き)|家具臭低減ワックス
たくさん使う場合にはこちらがおすすめです↓
▼塗料用リバース溶液[水性用](床ノリに添加)
▼リフレパウダー(リバースワックス塗布前の床面掃除)
ちょっとだけ使いたい場合におすすめの少量パック↓
ロングセラーの1.5kg入り↓
代引でのお支払いに限られてしまいますが、LINEでも注文を承っています。
(ご参考)お客様の感想
リバースワックスについて、お客様から頂戴したご感想を紹介します。
小さな無垢パインテーブルイスセットの木材匂い対策目的で試してみたところ、一層目の塗布から効果を感じた。あれほど喉奥が苦しかった木の匂いが消えたに等しく。そして一本100mlでその家具を結果三度塗り終え、全く匂いは気にならなくなった。他の製品を試したことなく比較が出来ませんが自分のトラブルが解決して助かった。なおこの家具木材表面が吸収の少ない素材なのか、塗った後の質感は触ったり近くで見ると艶を感じる程度で、色合いはあまり変化が無かった。
(オンラインショップにいただいたレビューより)
クッションフロアの臭い対策に購入しました。塗ってから4日程経ちますがフロア固有の臭いはかなり解消したように思います。有難う御座いました。
(オンラインショップにいただいたレビューより)
DIYでフロアタイルを購入してツンとするにおいが全然とれずこちらを購入しましたはけもついていて塗りやすく乾きもよくてよかったです!
(オンラインショップにいただいたレビューより)
購入したFAX台の引出しの臭いに口内、喉の不調に頭痛。検索しダメ元でお試しセットを購入。塗布した瞬間、サッと吸収すると同時に臭いに変化。あまりの吸収で足りる?2度目はあまり吸収せず。お試しセットで間に合いました。本体の臭いがなかなか取れず3度目塗布かと思いつつ扇風機を利用。乾燥と共に臭いがなくなり本当に感謝です。因みに塗布日の天候は数日雨天続きの雷雨でした。
(オンラインショップにいただいたレビューより)
別荘で利用していた引出付きのベッドが、13年たっていますのに、夏場30度を越えるとものすごく臭うようになり、捨てるしかない?
しかし、新しいベッドはよけいに臭う可能性もあり、非常に困ってました。
御社のサイトで事例があったので、試したところ、分解しての塗装はちょっと大変でしたが、かなり効果ありました。
1L、シングル2台の引出付きベッドで一回塗りでギリギリの量でした。ホントに助かりました。
(メールでいただいたご感想より)
譲ってもらったパイン材のガラスキャビネットの匂いが気になり、探してみたところコチラを見つけました。
お試しセットで試したところ、塗って3日目乾いてきたのかだいぶん匂いが取れました。助かりました。
(オンラインショップにいただいたレビューより)
購入前から問い合わせに対しても親切にご対応下さり、参考にさせていただくことができました。
今回クッションフロアのひきなおしのために購入しましたが、
・裏に2回(教えてもらった通り、しみこみ量が多かったです!正しい数量購入できて助かりました)
・表に1回
・それぞれ1時間ほどおいたのちに、作業
・その後緩めに巻いて3日間保管
・本日クッションフロアのひきなおしをしましたが、においは気にならないレベルでした!私はカットサンプルの時点でにおいが気になり、これが何十倍の広さになったら、犬たちもつらいだろう…と、いろいろ探していてリバースワックスにたどり着いたのですが、選んで正解だったと思います。
実際、ワックス塗っていないカットサンプルと、塗った現物では、においが全く違いました。通常カットサンプルのほうが切り出して時間たっているので、においは弱いと思いますが、逆でした。完全に抜けるにはもちろんまだ少し時間がかかると思いますが、貼った直後から違和感全くなく過ごせたのは大きいです。ありがとうございました。
(オンラインショップにいただいたレビューより)
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