先日、リバース工法※に取り組んでくださっている工務店様の会(「リバース工法研究会茨城・千葉」という会です)に参加してきました。
※リバース工法とは、珪藻土仕上げ材「リバースコート」などを施工し、きれいな空気の住まいにすることをいいます。

その際、工務店様からこんな質問をいただきました。

「クッションフロアはどうすれば、特有のにおいが解決しますか?」
今日はクッションフロアの臭い対策についてお話しします。

トイレや洗面室などの水回りによく使われる、柔らかい床材のクッションフロア
クッションフロアのにおいは、クッションフロア(素材自体)、張り付けに使う糊(接着剤)、ワックスがけをしている場合はワックス、これらが混ざりあっています。
新築・リフォーム直後などは特に臭いを強く感じるのではないかと思います。
換気・時間の経過とともにある程度減少すると思いますが、それでもなかなか解消しないという場合には、今回の話をひとつの参考にしていただければ嬉しいです。
また、クッションフロアの臭いについてご相談いただく際、「クッションフロアのサンプルを取り寄せて確認した時はさほど気にならなかったのに、いざ貼ってもらった後に臭いが気になるようになった」というお声も多いです。
サンプルは裁断してからある程度日数が経過していることが多く、その間に臭いがおおかた抜けているためだと思われます。
既に張ってあるクッションフロアの臭いを解消したい場合
既にクッションフロアが張ってある場合は、床面を掃除してからリバースワックスを塗ります。
リバースワックスとは、化学物質低減・消臭効果のある表面仕上げ用ワックスです。
フローリング・クッションフロアなどの床材はもちろん、家具などにも使えます。

市販のワックスモップで塗りますので、個人のお客様ご自身でも塗ることができますが、塗りムラなど仕上がりが不安な場合は業者さんに依頼された方がよろしいかと思います。
効果を発揮するには1回塗りで結構ですが、1回だとあまりツヤが出ない仕様になっていますので、ツヤを出したいという方は2~3回重ね塗りをしてください。
重ね塗りすることでワックスの表面強度が増して1回塗りの場合よりも長持ちします。
水分を多く含むリバースワックスは、塗った直後、水分が蒸発しきらないうちはワックス臭がします。水分が飛び、乾いていくにつれて臭いは減少し、完全乾燥後はワックスの臭いは残りません。
「ワックスを塗ったのに臭いが消えない」というケースは、水分が完全に抜けきっていないことが原因の場合が多いです。
クッションフロアの場合、クッションフロアの貼り付けに使った床糊の水分が飛ばないことにより、糊の臭いが出てくることも影響します。
また、床面掃除は汚れが取れれば水拭きでもよいですが、リフレパウダーという粉石けんを水1ℓに対してひとつまみ溶かした水(リフレパウダー希釈水)を使って掃除すると油汚れが落ちやすくなります。
リフレパウダーは合成界面活性剤・防腐剤・漂白剤・蛍光剤を使っていない洗濯石けんです。
油汚れに強く消臭効果もあるので、拭き掃除などにも使えます。
化学物質に敏感な方の場合はリフレパウダー希釈水のご使用をおすすめしています。

これからクッションフロアを張るという場合
1.張る前のクッションフロアの裏側全面に、リバースワックスを1回塗布
既に張ってある場合と違い、ワックスモップではなく写真のようなローラー(ウールローラー)を使った方が塗りやすいです。

クッションフロア裏面にローラーでリバースワックスを塗ります
2.クッションフロア張り付けに使う糊(床用の床ノリ)に塗料用リバース溶液(水性用)を添加
クッションフロアは床用の糊を使って張り付けますが、その糊にも一工夫します。
塗料用リバース溶液という添加剤を混ぜることで、接着剤特有の臭いを低減します。
名前に「塗料用」と付いている通り、元々は塗料特有の刺激臭を低減するために塗料に添加する製品ですが、接着剤にも使えます(相性の悪い接着剤もありますので必ず事前に少量で試してみてください)。

塗料用リバース溶液の水性用を、使用する糊の量に応じて添加します。
添加の目安は、水性タイプの糊であれば、18~20kg缶に対して100ccの割合です。

クッションフロア張り付け用の床ノリに塗料用リバース溶液(水性用)を添加します
床ノリに塗料用リバース溶液を添加する場合の注意点
床ノリはクッションフロア施工までに、塗布してからオープンタイム(乾燥時間)を取りますが、塗料用リバース溶液を添加することでオープンタイムが若干多く(長く)なります。
しかし、ほとんど気にならない程度で、接着強度も問題はありません。
3.その後、普通に床ノリを塗布し、半透明になったらクッションフロアを張り付ける
4.最後にハウスクリーニング施工時にリバースワックスを表面に塗布して完了
前述の「既に張ってあるクッションフロアの臭いを解消したい場合」※クリックすると該当部分にジャンプしますに記載してあるのと同様に、リバースワックスを塗布します。
まとめ
クッションフロアは、化学物質過敏症の方には特に考慮する施工場所だと思います。
この方法は、まれにある絨毯やタイルカーペットにも応用が可能です。
今回の施工で使用した製品はこちらです。
- リバースワックス(張り付け前のクッションフロア裏面、張り付け後のクッションフロア表面に塗布)
- 塗料用リバース溶液[水性用](床ノリに添加)
- リフレパウダー(リバースワックス塗布前の床面掃除)
製品の購入方法はこちらをご覧ください。

リバースワックス、リフレパウダーは弊社オンラインショップでも購入できます。
